プロフィール



自遊人: 楠根 土泥(くすね ととろ)



ご挨拶、自己紹介がてらに、平成19年6月に取材を受けました「この人に会いたい」(FM小国)でのインタビューを掲載させていただきます。
この人に会いたい【FM小国】

益田さん この人に会いたい。益田峰子が、根掘り葉掘り聞きたい、インタビューコーナーです。
今回は、器とほっとギャラリー『小国のふ~』、こちらのご主人で、陶芸家の、楠根土泥さんにお話を伺います。
益田さん まず、『土泥さん』というお名前なんですが・・・本名ではないですよね?
土泥 あの、人が聞いたら、みんな笑うんですが・・・わたくし、宮崎駿先生の『となりのトトロ』が大好きでして、 愛着のある名前で、作家ネームを無理やり、土と泥と書いて、土泥(ととろ)としました。 みなさんから「ととろさん」「ととろさん」と呼んでいただき、親しみのある名前でよかったな、と思います。本名だったら、もう、ほんと、いじめに遭ってますね(笑)。
益田さん なるほど、器を作っていらっしゃるということで、土や泥と関係のあるお名前なんですね。
土泥 よくみなさん、『どどろ』と呼ばれるかたもいらっしゃるのですが(笑)、もっとさわやかに、『ととろ』と呼んでいただきたいですね。
益田さん さぁそして、その土泥さんが最近になってオープンされたのが、器とほっとギャラリー『小国のふ~』というお店です。看板が出てるんですけれども、『ふ~』という文字が寝てますね。
看板
土泥 よくお客さんから、「この看板に、興味をもって来ました。何て読むんですか?」と、質問を受けるんですが、 これがまさしくわたしの狙うところでありまして(笑)、なんだろな、と興味をもって入っていただくのがひとつの目的です。
寝ている『ふ~』という言葉ですが、思わず口から漏れる癒しの『ふ~』という息のことでして、 さらに横に寝かせることで、横になるほどリラックスしている状態を表現してみました。
益田さん 人がお風呂に入ったり、横になったりしたときに思わず出る『ふ~』ということですね。
土泥 さらに、『ほっとギャラリー』というのは、『ほっと』する空間ということで、癒しのギャラリーを意味しています。
益田さん 『小国のふ~』さんは、木をふんだんに使ったギャラリーですね。引き戸は、骨董品でしょうか?
土泥 古い蔵戸です。古いものが好きなんですよ。窓は、お寺の古い木製の窓枠をはめています。非常にいい雰囲気で、わたしの作品と合うと、喜んでおります。
益田さん 木の枠の、味わいのあるサッシですけど、お寺のものをもらってきたということですか?
土泥 お寺を解体するということだったので、もう無くなってしまうのは残念で、歴史のあるものをどこかで生かしてゆきたいな、と、持ってきましたね。
益田さん 店内はもちろん土泥さんの作品が展示されているのですが、骨董品もいろいろあるんですね。
土泥 もともと骨董は趣味で集め始めたのですが、少しはまりまして・・・(笑)。たくさんの数になり、お客さんから分けて欲しいとの要望がときどきあるもんですから、一応、お分けするかたち
で、展示しています。結構、古い物が好きな人は多いですね。リピーターの方も多いです。
益田さん オープンされたのがまだ最近で、6月1日ということですが、もうリピーターがいらっしゃるんですか?
土泥 以前、別の場所でギャラリーをしていたのですが、うれしいことに、そのときの方が、追っかけで来てくださいます。
益田さん そして今、お話しを伺っているウッドデッキですが、ここから真正面に見えるのが・・・
土泥 もちろん、小国の象徴、湧蓋山(わいたさん)ですね。
益田さん 湧蓋山が、もう、目の前に迫ってるんですよ!
土泥 素晴らしい、優しい稜線ですね。右手には阿蘇山が見えるという、なんとうれしいことに180度の大パノラマです。
益田さん 小国でも、阿蘇山まで見える場所は限られていますよね。
土泥 本当にありがたいですね。
益田さん 目の前には、きれいな杉林と雑木林が広がって、先ほどから野鳥の声がこだましています。
土泥 そうですね、谷間に反響して、いい声が聞こえますね。
益田さん 鶯やホトトギス、カッコーもいるようですね。鳥の鳴き声も響き、贅沢な空間ですね。
土泥 そうなんです。お客さんより先に、まず自分が『ふ~』と、楽しんでいる、そんな時間を過ごしています。
益田さん 楠根土泥さんは、ここに住んでいらっしゃるのですか?
土泥 そうです。大好きなここ小国で、人生の仕上げをしようとやってまいりました。
益田さん いまおいくつなんですか。
土泥 なんと59歳です。
益田さん お若いですよね。
土泥 若く見えるんですよ(笑)
益田さん 59歳、普通だったら、60歳で定年になるわけですが、もともと小国出身ではないのですか。
土泥 わたくしは、割と転転とするタイプでして(笑)、生まれが大阪、その後福岡で、長年住みまして、そして、早期退職で田舎暮らしがしたいと思い続け、この暮らしをはじめました。
益田さん いわゆる、団塊の世代ですよね。
土泥 まったくそうですね。
益田さん 第二の人生と言うことで、「あこがれの田舎暮らし」といいますが、実践されている方ってなかなかいないのではないでしょうか。
土泥 なかなか思い切りというものが必要で、そうたくさんはいないでしょうね。まあちょっと、(わたしは)変わってるんでしょうね。
益田さん 同級生とかにうらやましがられるんじゃないですか?
土泥 「いいね~」「うらやましい」とよく言われるんですけど、みんな全然実現しようとしないんですよ。たまに来るといいように見えますが、ず~と生活するとなるとどうかな、と思うでしょうね。
益田さん 脱サラして始められたということですが、仕事勤めを辞められたのはいつ頃ですか。
土泥 自分では、若い頃から、『55歳定年』と、決めてたんですけどね、 田舎暮らしは、相当以前 からの計画だったもんですから、ず~と前から準備してまして、計画通り着々と、長年かけてやってまいりましたね。
益田さん では、陶芸を始められたのは会社勤めをされてたときからでしょうか?
土泥 長年の田舎暮らし計画のなかで、陶芸家さんと知り合いまして、「これは面白そうね」、と始めたのですが、当初はプロになるつもりはなかったですね。
田舎暮らしのひとつの生きがいとして、始めたのですが、周囲の反応がよかったもんですから、恥ずかしながら、人前に晒してみようかと、思い切って並べたところ、なかなかの反響でして、「いけるな」、と変な自信で始めました(笑)。
益田さん じゃ、普通に会社勤めをされてたころに、趣味のひとつとして陶芸を始めたら、好評で、現在に至るということですね。
土泥 まあ、個性的な性格が作品に表れ、それがまた、お客さんには新鮮に感じていただけたのではないでしょうか。

  ~閑話休題~

益田さん 本当に贅沢な空間で、小国でも、これほど緑豊かなところに住んでる人はなかなかいないのではないでしょうか。
土泥 地元の方もよく来られるのですが、多くの方が、まず『わ~』と言われるんですね。「地元にも、なかなかないぞ」と。 そして、お客さんもギャラリーに入ってこられてみんな『わ~』と言われるんですね。わたしは、『ふ~』と言ってもらいたいのですが(笑)。
『わ~』とまぁ、みなさんおっしゃられるんで、わたしはもう、「屋号を間違えたかな」、とこのごろは思ってます(笑)。
益田さん 『ふ~』とリラックスしてもらおうと思ったら、みんな驚いて『わ~』と言ってしまう、それほど素晴らしいロケーションですね。
土泥湧蓋山は、先ほどお話を始めたころは、ちょっと雲がかかっていたのですが、いま雲が取れて・・・あ~、綺麗ですね。改めて見とれてしまうような湧蓋山が現れました。
益田さん チラシに、『陶芸体験!要予約』とあるのですが、こちらでロクロを回したりできるんですか?
土泥 一日体験ですので、電動ロクロではなくて、「手回しロクロ」「手びねり」でやってます。
益田さん ここで、この野鳥の声を聞きながら、粘土をこねることができるんですか。それはもう、最高ですね。
土泥 創っている方も、楽しく癒されながら、世界に一つの作品ができるのではないでしょうか。
益田さん ちょっと、お店の中を見せていただいてもよろしいでしょうか。
土泥 どうぞ。
益田さん ここにストーブがありますね。薪ストーブでしょうか?
土泥 これは皆さん注目されるんですけど、よく見ていただくと、プロパンガスのボンベからデザインしたストーブなんですよ。 鉄骨屋さんに持って行って、「このように作ってほしい」と言って、作っていただいたのが、この薪ストーブなんです。
益田さん 本当だ、これプロパンガスのボンベですね。
土泥 よくできてるでしょ。非常に安くて、暖かい。なかなかのアイデアではないかな、と思ってます。
益田さん なるほど、面白い。サビがいい感じに出てますね。そして改めて見ると、骨董品や古い家具がたくさんあり、そのなかに、土泥さんの作品が展示されています。
土泥 焼き物はすべてわたしの作品です。
益田さん 焼酎カップ、いわゆるぐい呑みがありますね。男っぽい作品ですね。
土泥 自分の性格が現れるというか、真っ直ぐでない、ゆがんでいる性格でして、だいたいの作品はゆがんでますね(笑)。
益田さん (笑)そうですね、世界に二つとないという感じですね。色合いも、渋い感じですね。
土泥 手に馴染みやすいということで、お客さんには好評をいただいてます。雑器が結構並んでますが、 基本的には非常にお手ごろな値段で設定してますので、お土産に買って帰られるお客さんが多いですね。
益田さん そして、厨房がありまして、こちらで土泥さん自身がコーヒーを入れられるのですね。
土泥 そうですね、その都度一杯だてで入れてますね。
益田さん ゆっくりコーヒーがはいるのを待つのも、贅沢な時間ですね。
益田さん お、何だこれは・・・「わいた、わいた」どうやら天狗が温泉に入って、湧蓋山を眺めている絵のようですね。
土泥 絵が好きで、いろんな絵を飾っていますけど、だいたい自分の作品ですね。
益田さん 土泥さんの絵なんですね。あ、こちらにも天狗が・・・天狗には何か、感じるものがあるのでしょうか?。
土泥 このあたりは、地名が『天狗松』だったもんですから、ちょっと天狗を描いてみました。
益田さん なるほど、『天狗松』っていいますね、このあたり。確かに天狗が出てもおかしくないようなロケーションですね。
益田さん こちらは河童ですね、河童の絵も描かれるのですね。
土泥 河童の絵も好きで、河童がロクロ回している、という絵です。
益田さん 本当だ、河童が器を作っていますね。これはなんとなくご自身と重ねていらっしゃいますか?
土泥 重ねてますね。
益田さん 天狗より河童ですか。
土泥 天狗より河童ですね、やっぱり。
 
益田さん 店内見てると、飽きませんね。いろんなものがたくさんあって、一つ一つ味わいのある作品が、心を捕らえます。
そしてまた、絶好のポイントであるこのウッドデッキに戻って、湧蓋山を眺めると、何度見ても素晴らしい、またさっきと違った景色が現れますね。
ちょっとうらやましい、でも実現しようとするとなかなかできない生活をされている楠根土泥さんですが、是非みなさんも『ふ~』と息をつきに来ていただきたいと思います。
最後の質問となりますが・・・ご自分自身にキャッチフレーズをつけていただきます
土泥 難しいですね、突然キャッチフレーズといいましても・・・いいのが出てこないんですけど(笑)。
まぁ、ここに来てゆっくり僕と世間話をしながら、『ふ~』とくつろいでいただきたいので、お話し相手になる、『茶飲み友達の陶芸家』ということでどうでしょうか。
益田さん 『茶飲み友達の陶芸家』、あ~、なるほど、確かに今お話しさせていただいて、こちらも心和みました。
土泥 そうですね、このロケーションを見て『ふ~』、 私の作品を見てまた『ふ~』、そしてこの私をみて『ぷっ』と(笑)。 一度で三度おいしい、そういうギャラリーですから、ぜひともみなさん、一度足をお運びください。
益田さん (笑)(笑)(笑)。営業時間はどうされていますか?
土泥 そうですね、まあ、自遊人ですので、お客さんが来られたときからオープンですね。早朝からでもかまいませんよ。
ただ、定休日は決めてません。平日のいつかは休みますが、土日祭日は必ず開けてます
益田さん 今回の「このひとに会いたい」、お話しを伺いましたのは、6月1日にオープンしたばかりの 器とほっとギャラリー『小国のふ~』のご主人でいらっしゃいます、『茶飲み友達の陶芸家』楠根土泥さんでした。ありがとうございました。
土泥 どうもありがとうございました。